第一志望に合格する子どもたちを見ていると、共通する要素がいくつか見られます。
まず1番は、その学校に入りたいという気持ち。多少成績が悪かろうと、自分の志望校はここだという気持ちがしっかりしている子は、まず合格の可能性が高いと思うのです。入れる学校ならどこでもいいやという気持ちではなかなか力がついていかないでしょう。どうしてもここに入りたいという気持ちが強ければ強いほど努力もするし、その成果が現れやすくなるでしょう。
2番目は、わからないことをごまかさない子。プライドの高い子は、「自分ができない」ということをあまり認めたがらない傾向にあります。これは不安の裏返しの面が大きいと思うのですが、しかしその結果として本当にわかってないことでも「わかった」とごまかしてしまうことがあるわけで、こういう子はやはり失敗する可能性がでてきます。わからない、できないということを認めてそれを何とかしたいと思うことがむしろ大事でしょう。
3番目はやはりていねいさ。私は最近進学塾が子どもたちにやらせている学習量は過剰だと思っているのですが、その結果としてていねいに学習する習慣がなかなかつきません。どんなにたくさんの問題を解いたところで、それがいい加減であるならば力はつかないのです。逆に真剣に考えた問題が一問でもあれば、それを考える過程で学力はついていくことになります。7割の問題に手を出してそれが満点だった70点がいいのです。全部手を付けて7割できる子は、本番では7割とれないことが多い。それだけ本番はプレッシャーが強いのです。
この3つの要素を持っていた子どもは、確かに全員が第一志望に入っていきました。もとから第一志望というのは楽々入れるというものではありません。自分の成績から考えるとやはり挑戦する感じになるでしょう。冷静に見ればそれだけ合格する可能性も大きくはないのですが、それをひっくり返すために、これらの要素はやはり重要だと思います。
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