基礎を固めて、学校別出題傾向で応用力を伸ばす、という勉強法をお話していますが、しかし、学校別出題傾向とは何でしょうか。もう少し詳しくお話していきましょう。
まず今回は、算数です。私は出題の形式から以下の3つに分類しています。
(1)完全記述型
(2)単答難問併用型
(3)単答基礎型
(1)の完全記述型というのは、男子難関校に多いパターンですが、大問で4題程度。すべての問題で、解法を記述しなければなりません。問題数が少ないのは、当然一問一問が難しいからで、したがって合格点は5割から6割程度のところになります。
記述式にするのは、答えだけだと点数がかなり低くなり、差がつかないので、部分点をつけるからです。解答が間違っていたとしても、途中までいって、最後で計算間違いをした、という場合もありますし、まったく手がつかなかった場合もあります。その差をはかるために、記述式にして、子どもの力を見るのです。以前、採点者側が思いもつかなかった解法を編み出して、満点以上の点数をもらった受験生もいましたが、こういうことができるのも、この形式ならでは、ということができるでしょう。
(3)は標準的な問題を比較的多く出題する学校。女子校の入試傾向では良く見られるパターンです。答えを出せば良いのですが、問題数が多いので、一問一問はそれほど難しくない。その分、ミスをすると差が開いてしまいます。(1)のような問題が出題されることはないので、標準的な問題をきっちりミスなく解き上げる、という技術が必要になります。問題数としては10題前後出題されるといっても良いでしょう。合格点は7割程度。8割まではいかないと思います。
(2)は(1)と(3)の融合型。問題数にして6問から8問の間。前半は(3)の形式。後半2問が(1)の形式ということになって、最近はこのパターンが増加する傾向にあるだろうと思います。合格点は6割から7割。
これは入試問題を見れば、すぐわかるでしょう。志望校の学校が(1)~(3)のどのパターンにあたるか、まず調べてください。
次に出ている問題を以下の8つに分類してみてください。
(A)比と割合
(B)数の性質
(C)規則性
(D)平面図形
(E)立体図形(容積と体積)
(F)速さ
(G)場合の数
(H)表とグラフ
その型にあわせてよく出る範囲がわかります。例えば(1)でよく出るのは規則性、数の性質、速さ、図形の4分野です。逆に(3)の場合は(A)から(H)まですべての範囲が出題される、という傾向にあると思います。ただし、その問題レベルが難しくはない、という状況でしょう。
そうすると、まず(1)か(3)かで、やるべき内容が変わります。
(1)の場合は、テーマはある程度しぼられるものの、問題が難しい。したがって、そのテーマをかなり掘り下げなければいけない。
(3)の場合は、テーマは全部におよぶものの、難しい問題はいらないので、まず確実に得点できるように、基本問題を中心に勉強する。
(2)の場合は中間ですが、後半の2問の正解率は決して高くはありません。ただ前半の(3)形式の問題の正解率は高いので、ここで失点してはいけない。だからまず(3)に準じた勉強を始めるべきだ、ということになります。
例えば、(1)の場合で、「空間図形」がいまひとつ、だとすれば、ここをまず集中して勉強する必要があるわけです。他のテーマに不安があるかもしれないが、出題される確率を考えると、このテーマの方が高い、と考えられるのであれば勉強の優先順位もその分、上げていかないといけないでしょう。
逆に、(3)の場合、難しい問題を宿題に出されたとしても、それはちょっと棚上げした方が良い。その時間を、まだ不確かなテーマの基礎習得に充てた方が良いということになるのです。
この辺をしっかり、子どもの状況に合わせて勉強法に反映させていかないと、時間の使い方が無駄になってしまいます。夏休みの計画をたてる上で充分、考えていきたい部分です。
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