05Jun 2022
各校の出題形式を知る 第4回 社会
  • 作成者: 広報  カテゴリ: 6年生の担任から

社会の問題用紙というのは、他教科に比べても長い。教科別の電話帳(各校の入試問題集)を比べてみると、同じ収録校数なのに社会と国語はずばぬけて厚い。最近は国語の著作権の問題があるので、収録できない場合もありますから、今後は社会が一番長くなるかもしれません。

もとから社会は、問題文も長くなるし、資料や統計、あるいは地図と織り込むものが多いので、問題文を読み解く力も必要になってきましたが、しかし、問題をよく見てみるとやはり大きく分けて3つに分類することができるでしょう。

(1) 知識単答型
(2) 資料読解型
(3) (1)と(2)の融合型

(1)はずばり、知識を問う。問題の形式がどうであれ、最後に知っているか、知っていないかで勝負が決まる問題です。地理にしても歴史にしても、知っているか、知らないかで問題の答えが出る学校。やはりこの類型が一番多いとは思います。
(2)は知識も必要なのだが、しかしそれだけでは解けない。考える必要がある、あるいは資料から読み解く必要がある問題を出題する学校。
(3)は(1)と(2)の両方を出す学校。しかし、この類型はやはり知識の比重が大きいと言えるだろうと思います。

男子受験校では(2)が比較的多くみられるが、しかし、形式に惑わされてはいけません。良く問題を見てみると、「なんだ、これは知らないとできないじゃないか」という問題が案外多いものなのです。大学受験をさせる学校では、比較的細かな知識を問う場合が多い。「日本地理は、中学受験のころの知識で大学を受けた」という強者もいるくらいですから、ある程度細かいことを出す学校もあります。

だから、いったいどのレベルまでの知識が必要になるかを考えないといけないわけですが、これは学校の入試問題を見てみればわかります。多くの学校の場合は塾が用意する暗記テキストで充分なはずです。それ以上に細かいことは、中学校の歴史の教科書を読んだり、あるいは問題を通して覚えていくしかないわけです。しかし、基礎が充分でないのに、そちらに手を出しても意味がない。まずは基礎力をしっかり養うことでしょう。

その上で(2)の学校を受ける場合は、過去問を練習することです。あるいは似た出題傾向の学校も練習すると良いでしょう。逆に(1)の類型であるならば、もうシンプルに覚える、ということに注力することです。

ただ、知識は覚えても忘れるのが早い。その分繰り返さないといけないので、あまり早くからやるのではなく秋に力をつけていければよい、と考えるとよいでしょう。

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最終更新日: 6/4/22, 8:49 AM
03Jun 2022
各校の出題形式を知る 第3回 理科
  • 作成者: 広報  カテゴリ: 6年生の担任から

理科の出題に関しては、生物、地学、化学、物理という分類があるわけですが、知識か計算か、で分類をすると次のような形に分けることができます。

【知識分野】
生物、人体、地学、天体の一部

【計算分野】
水溶液、力、電気、天体の一部

つまり、覚えればある程度、得点できる分野と、算数のように練習を積み重ねる分野があるわけです。

で、出題傾向を分けるときに、この知識分野がどのくらいあるか、ということがひとつの分かれ目になります。

一般的に言えば、知識の問題が7割程度という学校が多く、残りの3割が計算問題だったり、記述、実験関連だったりするのです。こういう出題傾向の学校ではまず知識を優先していく必要があります。ただ、何もかも全部覚えるわけにはいかない。ので、覚える内容は良く出題される内容に絞る必要があるわけですが、その選別をしてくれているのが塾の暗記用テキストです。

私はよく全出題範囲の3割が出題の7割を占める、というお話をします。つまり3割覚えれば7割は得点できる、ということなので、優先順位としてこの3割を覚えれば良い。この3割は各塾が研究して、この暗記用テキストに絞ってくれているので、他のことは考えず、しっかりこれを覚えることです。それである程度この形の入試問題には対応できるようになります。

ところがこの知識分野が5割を切る学校があります。あるいは0という場合もある。
例えば資料を提示して、そこから作業をさせて、結論を読み取らせる。
あるいは実験結果を見せて、そこから推論させる。

この場合、解答を記述で書く、あるいはレポートのような形式にする、など各校独自の解答形式があります。これは入試問題を過去にさかのぼってみれば、良くわかるでしょう。

こういう問題を出題する学校を第一志望とする場合は、知識を覚えたからといって得点できるわけではないので、やはり入試問題を中心に対策を考える必要があります。塾もそういう学校の対策のプリントを用意したり、特別な授業をしたりしているので、それを利用するのも良い方法だと思います。

まずは志望校の問題をよく見て、研究することが大事です。

知識について言えば、分野が集中することはあまりなく、いろいろなテーマに分散しているので、やはり暗記テキストを集中して覚えて、その後過去問の練習をすると良いでしょう。


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最終更新日: 6/2/22, 8:41 AM
01Jun 2022
各校の出題形式を知る 第2回 国語
  • 作成者: 広報  カテゴリ: 6年生の担任から

最近の国語の入試問題形式というのは、結構似てきたような気がします。

文章読解の大問2題と漢字、ことばの問題で合計4問。

文章読解は、物語文と説明文。その中に何題か、自分のことばで答える記述の問題を加える。

これを一般系としましょう。そして、これに外れるものとして

1 長文1題だけの記述だけ
2 長文は2題だが記述だけ
3 形式は一般形だが記述がない

の3つのパターンがあり、このどれかにおおむね属しているのではないかなと思います。

国語は以前、もう少しパターンがあったような感じがしていたのですが、最近の問題はどちらかというと一般系に収束しているように思います。

だから、まず対処すべきは

1 説明文の読解
2 物語文の読解
3 漢字

の3点になり、これはまあ、どこの塾でもちゃんと練習はしているでしょう。

で、6年生になれば、国語は早くから練習できるから、志望校の過去問に入って行けば良いのです。

そのとき、一般形から外れる学校は、やはりそれ相応の準備をしていかなければなりません。というのは、例えば全部記述、というのは、そこまで書きなれるのには時間がかかるからです。半年ぐらいの準備がぎりぎりのところ。できればもう3か月ぐらいは練習した方が良い。

だから、最初に過去問をやってしまいます。そうすると、前半で最早過去問はやりつくしてしまうでしょうから、後半はその形式に似た学校の問題をやればいいのです。それもたくさんはやらずとも良い。というのは、他の科目の過去問が忙しくなるからです。でも、まったくやらないと感覚がついていけなくなるので、秋になれば週に2回ぐらいのペースで読解問題を練習していく。そうすると、概ね一貫して1年間練習をし通したことになるので、国語の対策はできた、ということになるでしょう。

一般形の出題形式の場合は、類題の学校がたくさんありますから、あまりやる問題を心配する必要がないが、3つのパターンはそれなりに学校が少ないので、先に電話帳(過去問集)を買ってみておくと良いかもしれません。

そろそろ電話帳も新年度に切り替わるところですが、今のうちに昨年の問題を求めておくのもひとつの方法でしょう。

あくまで第一志望の出題形式に合わせて勉強する。そしてそれ以外のことはあまり手を出さない。もちろん、ときどき違う形式の問題が出てくる場合もあるかもしれませんが、その確率はあまり高くはありませんし、そうなっても簡単な問題でなければ差がつかないので、心配することもないのです。(簡単な問題であれば、解けるでしょうから。)

国語は、短期間でなかなか力が付かないので、ペースを保ってひとつひとつを丁寧に解いていく練習を積み重ねてください。


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最終更新日: 5/31/22, 2:52 AM