23Sep 2017
合格点を取る戦略(3)
  • 作成者: Golilla  カテゴリ: 6年生の担任から
算数の目標点は、

(1)単答型 7割から8割
(2)記述型 5割から6割
(3)併用型 6割から7割

でしょう。例えば、単答型の場合、7割をきると差をつけられるイメージになり、8割をとれば差をつけたということになります。

つまり、他の教科とのバランスの中で、

(1)強みか
(2)弱みか

ということをお子さんの点数傾向から、ある程度方向付けすることが必要です。

弱みであるのなら、
「差をつけられないように」する
ということがポイントになるし、強みならば
「差をつけるようにする」
ということが大事になるでしょう。

その両方に有効なのが、「ていねいさ」です。

できる問題を確実に得点に結びつける、ここが一番の対策でしょう。難しい問題、歯がたたない問題は、じっくり対策をするしかない。しかし、まずすぐやるべきなのがミスを減らす方法ですから、過去問を解くとき、塾でプリントを解くとき、日々練習していくのです。

できる子だってミスをします。間違える。ただ、彼らは試験時間内に修正する力を持っている。だから間違えなくなるのです。

全体の3分の2の問題を解いたところで、見直しをする、というのもひとつの手かもしれませんが、子どもはやはり先に進みたい。だから、その場で確認していくという方法を取っていく、というやり方を練習してください。

一方、算数が弱みであるならば、パターン問題を徹底的にやるのも方法です。

パターンはみんなができる可能性が高い。だから、そこを落とすと、差をつけられてしまう。ここだけでも死守するというイメージでしょうか。良く出る問題はある程度決まっています。少なくともそれは絶対にできるという自信をつけるのも大事な戦略です。

次に学校別傾向にそって、出るものをやるという発想が必要です。

受験する学校によって出題の形式も問題のレベルも違います。だから、どの学校を志望するかによって、この時期の対策は違うのです。

記述型は50分4題程度。1問できると差が開くようにできている。ただ、満点は相当難しい。だから最初から1問すてる。のと同時に、部分点がきちんともらえるように、式や説明を書いていく。

ある学校では、想定している解答ではない、良い解き方だったので20点満点のところ30点にしたという話もあります。

だから、説明する練習をしっかりしましょう。

単答型は、時間がいっぱいいっぱいになる可能性がある。しかし、問題は難しくないからミスとの戦いになる。

志望校によって戦う練習の仕方が違うのです。

有名校ならばその学校別特訓があるでしょうが、塾にすべての学校別があるはずがない。だから、自宅で過去問を練習する、あるいは似た傾向の問題を解くという学習がどうしても必要なのです。

塾の授業に比してこちらの方が優先順位が高いお子さんがいると思います。だからそういうときは、塾は休んで、優先すべき勉強をした方がいいのです。


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9月24日の問題


gakkoubetsu

最終更新日: 9/24/17, 5:55 AM
21Sep 2017
合格点を取る戦略(2)
  • 作成者: Golilla  カテゴリ: 6年生の担任から
今日は算数について考えましょう。

模擬試験や過去問を振り返ってみると、

(1)ミスをした
(2)本来できる問題ができなかった
(3)歯がたたなかった

という3つに分類できるでしょう。

まず(1)です。

(1)ミスをした
ミスの原因は計算間違い、問題の読み違い、読み飛ばしということになるでしょう。まだ模擬試験にも慣れていないという意味では、時間が気になる。模擬試験は統計的に処理するために、差をつける問題が出されます。だからどうしてもあせる。あせると、計算間違いや問題の読み違いがおきるでしょう。

これをどう防ぐか。

1 条件にしっかり下線を引く。
2 それを使っているか、確認する。
3 答えが出たら、もう一度問題を確認する。
4 計算は必ず式を書き、タテの計算も書いて、その場で検算する。

以上4点をやってみることで、かなり減ります。ただ、試験の場だけでできるとは限らない。過去問の勉強や、毎日の問題のところで、やってみることです。

できる子は、最後まで時間を使って見直しをします。

できる子だってミスをします。ただそれを後から発見して修正できるから、点数が高くなる。

しかし、最後まで時間をかけて問題を解いていると、見直す時間がないという子がほとんどです。だから1回で正答に持っていく、ていねいな解き方をマスターしましょう。

(2)本来できる問題ができなかった

後から、やってみるとできる。これは問題が読めていない場合が多いのですが、なぜ読めないのか?といえば、あせっていることが多い。つまりは、やはり自信ができていない、ということでしょう。もし「合格しなかったらどうしよう」というあせりがあるのであれば、これは解決しておいた方が良い。

一番大事なのは、お父さん、お母さんがどの学校へ行こうとしっかり応援してくれる、という確信です。それならばとにかくがんばろう、という気になるが、子どもですからやはり不安になりやすい。その辺の気持ちをぜひ汲んであげてほしいと思います。

(3)歯がたたなかった

これはレベルの問題がある。基本がわかっていない、あるいは忘れているようであれば、至急やり直す必要があります。

パターン問題も大事。解き方がわかっていない?、忘れている?それなら急いで確認しましょう。

基本はそこそこできているが、応用となるとからっきしだめ。という子もいますね。

こういう子の場合は、過去問をじっくり解くことを勧めます。過去問で難しい問題が出ないのなら、応用をやる必要はありません!!

出るレベルの問題をやればいい。そうなると(1)にもどることが多いでしょう。だからていねいに解く練習をすればいい。

いや、結構難しい問題が出るんだけど、できないという場合。

これは、過去問の解き方を研究するのがいい。

つまり解き方を真似るのです。ここで繰り返しになりますが、覚えてはいけない。こういう子はパターンで何でも考えてしまいがちで、そうなると覚えるものが広がりすぎて収拾がつかない。

解き方を書いていく、そして研究するのです。将棋や碁で言えば、譜を追う要領が、イメージに近い。

なるほど、ここに着目するのか。(覚えるのではない。発見するのです。)

じっくりやっている時間はあまりないでしょうが、これをやらないと子どもの論理を追う力はつきません。

だから過去問をじっくり追う。「同じ問題は出ないから」という理由で過去問をあまり重視しない先生もいますが、私は賛成できない。同じ問題、という感覚自体がすでにパターン化しようとしている。

算数はパターンだけではできない問題も多々あるのです。その問題を直視する力、しっかり分析する力、それを鍛えるのに過去問は最適です。


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gakkoubetsu

最終更新日: 9/22/17, 5:55 AM
19Sep 2017
合格点を取る戦略(1)
  • 作成者: Golilla  カテゴリ: 6年生の担任から
過去問を勉強していると、どうしても気になるのは合格点との乖離でしょう。

うまく、各年度の合格点を突破していればいいが、20点不足、30点不足などということになると、
「これは志望校を変えた方がいいんじゃないか?」
という考えが頭をよぎると思います。

入試日程は短い。東京・神奈川、関西、1人が受けられる学校はそう多くはありません。昨年の平均受験校は6校弱。しかし2~3校はお試し受験や滑り止め。ということは本当に勝負をかけるのは2~3校程度でしかないわけで、その大事な日程に「無理な学校を入れていいのか?」という議論はあるでしょう。

最初の模擬試験の結果も出始めたところで、過去問の結果と合わせて、合格点をどうとるのか?という戦略を考える必要があります。

その戦略が成り立てば、まだ志望校を変更する意味はあまりない。むしろ、それを考えずに成績に一喜一憂することは避けてください。

例えば300点満点の学校がある。
算数、国語は100点満点。 理科、社会は50点満点。
例年の合格水準は200点前後。
で、現在、家でやっている点数は160点程度。
乖離は40点あります。

この40点は遠いと感じられると思うのですが、もう少し分析がいります。

160点が例えばこんな風であったとしましょう。

算数50点
国語60点
理科25点
社会25点

さて戦略は?
どの科目も5割程度ですね。だから全教科がんばらなければいけないというのが普通の判断でしょうか。

私なら、まずは算数と社会かな。と思います。

国語の60点は、まあ、こんなもんでしょう。できる子で80点前後とれるのかもしれないが、国語は長期的に文章経験を積む結果が出てくるので、短期的には改善しない。

だから、コンスタントな演習は必要としても、短期的にどうなるものでもない。

一方社会は、暗記の範囲が広い分野です。45点とるのは難しい。ただ35点はとれるでしょう。

だから社会でまず10点加算を考えます。

次に算数。算数は出題傾向によって対策が異なります。出題傾向は

(1)単答型
(2)記述型
(3)併用型
と分類することができます。

例えば(2)の記述型で50点とれているとするならば、あと1問できれば合格するレベルに達します。なぜか。1問が25点前後あるからですね。

逆に単答型だとすると、あと30点ぐらいはとれないといけないかもしれない。しかし、そこを突破すれば、合格できる範囲に入ってきます。

そうなると、実は最も重要だと思われるのは算数ということになる。実際に年度によって算数が7割とれたり、8割とれたりすることがあるとすれば、そこをどう安定させるのか?というのが最も重要な課題になってくるわけです。

模擬試験の結果も、参考になるでしょう。例えばみなさんはどうしても4科総合の偏差値が気になると思うのです。が、どちらかといえば科目別の偏差値の方が気にした方が良いのです。

各教科の仕上がり状態をチェックする。例えば社会では

偏差値が60を取れている場合は、ほぼ仕上がりに近い。
50台は普通。逆に言えば、もう少し点数が取れる。
40台は努力不足。

社会の偏差値が40台で過去問が25点であれば、まだまだやることはあるという感じですね。

今の塾は、科目別に先生がいるので、総合的にどう?という判断をする機会が少ないのです。しかし家庭では、ここは何をすてて、ここに集中するという戦略を考えることができます。

だから、お父さん、お母さんがぜひそれを考えてあげてほしいのです。

次回は各科目の中で、短期的に改善する道筋についてもう少しお話を続けてみたいと思います。


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最終更新日: 9/20/17, 5:55 AM